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シグマ建設株式会社

西別府の住宅

西別府の住宅
所在地 / 埼玉県熊谷市
建築設計 / シグマ建設
施工 / シグマ建設
写真 / 千葉顕弥

主要用途 / 住宅
構造・規模 / 木造2階建て

延床面積 / 114.91㎡
若いご夫婦と三人の子どもたちのための住宅である。
計画初期の打合せでは、
物の多い暮らしの中で、各室と収納、水回りをどのように関係づけるかが、
大きなテーマとして共有された。

機能や物理的な配置を整理しながら生活全体の自由度を確保しようとすると、
機能同士が互いに拘束し合い、
住まいのあり方が次第に硬直してしまうことが見えてきた。
そこで、機能を内包する領域と、用途を定めない空間を切り分けて捉えることで、
暮らしの柔軟性を確保できないかと考えた。

検討を重ねる中で、
機能的な連携に縛られる「家」の部分と、
自由に使える「大屋根空間」を対比的に配置する構成へと収束していった。
最終的には、「家」と平屋の「大屋根空間」を、
910mmの「間」を挟んで対面させる構成を選択している。

この「間」には、階段、鉄骨柱、ハイサイドライトといった
光・構造・動線に関わる要素を集約した。
両空間の間に距離を設けることで、
「家」と「大屋根空間」は客体的に正対し、
互いの存在を意識し合う関係性が生まれている。

「家」では、一階に各個室、収納、水回りといった
機能的なスペースを集約し、
二階は間越しに各室へと繋がる構成とした。
各室の上部には高さ約1mの欄間を設け、
大屋根空間からも生活の気配が感じられるよう計画している。

一方の「大屋根空間」は、庭先へ軒が延びるように架構を架け、
構造体が露出した、十分な気積を持つ空間としている。
使われ方に一定の輪郭を与えるため、
カウンターやベンチを随所に設け、
庭側の開口部は約300mm下げた土間を介して、
庭とフラットに連続する設えとした。

この住宅では、「家」「大屋根空間」「間」という三つの要素によって、
生活の秩序と自由度を同時に成立させようとしている。
家族は光や風、その時々の暮らしの状況に応じて、
居場所や距離感を調整しながら生活していく。
この建築が、そうした変化を受け止め、
暮らしとともに関係性を更新していく場となることを意図している。